
日本におけるラボグロウンダイヤモンド市場の深化 Part2
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日本のダイヤモンド市場に今、大きな変化が訪れています。その主役は、ラボグロウンダイヤモンド(LGD)。これは、天然ダイヤモンドとまったく同じ成分、構造、性質を持つ、紛れもない「本物のダイヤモンド」です。地球の奥深くで天然ダイヤモンドができるのと同じ環境を、最先端技術で再現して作られています。
この記事を書いたスタッフ
ウエディングプランナーを経てブライダルリング専門店での経歴を活かし、ふたりのウエディングライフを楽しく過ごせる情報を発信します。
「SAKI」はJEWELRY MAGAZINE本部のスタッフです。世界的に見ると、LGD市場はものすごい勢いで成長しています。たとえばアメリカでは、2022年にはダイヤモンド消費の半分以上がLGDになり、婚約指輪市場の約3割を占めるほどに。今後もさらに市場が拡大すると予測されています。しかし、日本市場は少し異なります。2021年時点でのLGDの市場シェアは1%未満と非常に低く、今も1~2%程度にとどまっています。
この世界との大きな差は、日本市場がまだLGDの初期段階にあることを示していますが、同時に、これからの大きな成長の可能性を秘めているとも言えます。世界中でLGDが受け入れられているのは、その品質、倫理的な側面、そして手の届きやすい価格が評価されているからです。日本でLGDがまだ浸透していないのは、市場の限界ではなく、未開拓の大きな可能性の表れなのです。
このような日本のLGD市場において、重要な役割を担っているのが、日本グロウンダイヤモンド協会公認ダイヤモンドアドバイザーの杉田晴奈氏(通称:はるたん)です。彼女の活動の中心は、LGDについて正しい情報を伝え、消費者が天然ダイヤモンドとLGDのそれぞれの「本当の価値」を理解できるようサポートすることにあります。
「人工的なもの=偽物」という誤解が根強く残る中、杉田氏はLGDが「天然ダイヤモンドとまったく同じ物質的特性を持つ本物のダイヤモンド」であることを明確に伝え、その本質的な同一性を繰り返し強調しています。さらに、LGDが紛争や児童労働、環境破壊といった問題と無縁の「サステナブルなダイヤモンド」である点を強く訴え、その倫理的な価値を伝えることで、消費者の意識改革を促しています。
LGDの普及を牽引しているのは、エシカル(倫理的)でサステナブル(持続可能)な消費を意識する日本の若い世代、特にミレニアル世代やZ世代です。彼らは環境に配慮した商品を買う経験が多く、サステナブルな製品には料金を払っても良いと考える傾向があります。
LGDは「紛争ダイヤモンドや低賃金労働、児童労働、環境破壊に関与していないダイヤモンド」として、そのサステナブルな側面が特に高く評価されています。これは、価値観に基づいて消費行動を選ぶ若い世代のニーズにぴったり合致しています。LGDが単に価格面で優れているだけでなく、より深い倫理的・環境的な共感を得ていることは、この世代の購買行動が単なる好みではなく、根本的な価値観の変化に基づいていることを示しています。
また、天然ダイヤモンドに比べて手頃な価格である点も、若い世代にとって大きな魅力です。同じ予算でより大きなカラットや、より品質の高いダイヤモンドを選べるのは、特に婚約指輪のような高価な買い物において重視されるポイントです。海外、特に欧米ではLGDが婚約指輪やファッションジュエリーの新しい常識として急速に広まっています。
ハリウッド女優や音楽アーティストなどのセレブリティがLGDを選ぶことで、その注目度は一気に高まりました。アメリカではLGDの認知度が非常に高く、婚約指輪やファッションジュエリーとして広く受け入れられています。これに対し、日本国内でのLGDの認知度はまだ低いものの、LGDを知っている人では88.1%が婚約指輪の購入を検討すると回答しており、認知度が上がれば購買意欲に直結する強い相関が見られます。このことは、日本市場が現在遅れていても、世界的なトレンドの影響を受けないわけではないことを示唆しています。
TIARAは国内・海外の婚約指輪・結婚指輪約40ブランドを取り揃えふたりの希望に合う品質や予算に合わせて選べるお店です。天然ダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドの両方を取り扱っており、顧客が実際に両者を比較検討しながら選択できる環境を提供しています 。
日本グロウンダイヤモンド協会は世界市場で大きな広がりを見せる、ラボグロウンダイヤモンドの日本市場の発展と業界の知識促進及び流通の整備を目的として2018年7月に設立。ラボグロウンダイヤモンドとは、天然ダイヤモンドと全く同じ物質的特性を持つ本物のダイヤモンドです。このような新しいテクノロジーにより、ラボグロウンダイヤモンドも当たり前の様に日本のダイヤモンド市場の多くを占めていくものと予想されます。
「SAKI」はJEWELRY MAGAZINE本部のスタッフです
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