デビアス社がラボグロウンダイヤモンド事業を終了した背景と、業界にもたらした影響
この動画では、ダイヤモンド業界における大きな話題の一つである「デビアス社がラボグロウンダイヤモンドのブランドを終了した理由」について解説しています。
この記事を書いたスタッフ
ダイヤモンドアドバイザー 杉田晴奈 日本グロウンダイヤモンド協会公認ダイヤモンドアドバイザーとしてダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドに関する専門知識を持ち、お客様にダイヤモンドの選び方や正しい価値を伝える活動を行っている。SNSを通してダイヤモンド市場のトレンドを発信。
「ダイヤモンドアドバイザー 杉田晴奈」は日本グロウンダイヤモンド協会のスタッフです。 ラボグロウンダイヤモンドの価格破壊
デビアス社がラボグロウンダイヤモンドのブランドを立ち上げ、その後に終了した背景には、価格設定が大きく関わっています。
- 従来のカラットの希少価値の無視
天然ダイヤモンドの業界では、カラット数が増えるほど希少価値が高まり、例えば1カラットに対して2カラットは単純に重さが2倍というだけでなく、価格は約4倍になるのが通例です。
- しかし、デビアス社のラボグロウンブランドは、この「カラット数による希少値」を無視した金額でデビューしました。
- これにより、従来の1カラットあたりの単価(業界でいう「外」)を大きく崩す、非常にショッキングな価格設定となりました。
デビアスの目的と役割
天然ダイヤモンドの採掘・販売を主な事業とするデビアス社が、なぜラボグロウンダイヤモンドに参入し、そして撤退したのかについて、以下のような見解が示されています。
- 参入の衝撃:元々天然ダイヤモンドしか扱っていなかったデビアス社がラボグロウンを扱ったこと自体が、業界に大きな衝撃を与えました。
- 技術的な背景:デビアス社はダイヤモンドに関する多くの特許を持っており、LGDの「シード(種)」となる部分を別会社で販売していた経緯もあり、技術的なノウハウはあったとされています。
- 参入の意図:デビアス社は、LGDブランドを本気で採算が合うように事業化しようとしていたわけではなく、「一定の役割」を果たすために参入した可能性が高いと考察されています。天然ダイヤモンドの販売を促進するための一種の抑止力や、市場への影響力を行使する目的があったと考えられます。
- ブランド終了の背景:デビアス社がLGDブランドをやめたことは、「ラボダイヤモンドの時代が終わった」ことを意味するわけではなく、デビアス社が考えていた「一定の役割が終わった」に過ぎないと述べています。
- 業界の変化:デビアス社の参入・撤退の後も、ラボダイヤモンドの進化が進み、天然ダイヤモンドを扱っていた他の会社もLGDを取り扱うようになっていったという背景があります。
デビアス社のラボグロウンダイヤモンドブランドの展開は、天然ダイヤモンドの会社として市場のバランスを取り、天然ダイヤモンドが売れ続けるための戦略的な行動の一つであった可能性が高いと結論付けています。
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