宝石業界の未来とは?ダイヤモンドの正常化と宝石店のあり方

第4弾は、急速に変化するダイヤモンド市場において、宝石店が直面する課題と、業界全体が目指すべき「正常化(レクティフィケーション)」の方向性について深く掘り下げています。

この記事を書いたスタッフ

ダイヤモンドアドバイザー 杉田晴奈
ダイヤモンドアドバイザー 杉田晴奈

日本グロウンダイヤモンド協会公認ダイヤモンドアドバイザーとしてダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドに関する専門知識を持ち、お客様にダイヤモンドの選び方や正しい価値を伝える活動を行っている。SNSを通してダイヤモンド市場のトレンドを発信。

「ダイヤモンドアドバイザー 杉田晴奈」は日本グロウンダイヤモンド協会のスタッフです。

目次

1. 顧客知識の向上と「知の逆転」
宝石店に迫られるアップデート

ダイヤモンド業界で起きている「知の逆転」現象が指摘されています。今やインターネットや情報源の多様化により、お客様の方がダイヤモンドに関する知識を持っており、販売する宝石店側が情報や商品を持っていなかったり、知識不足であったりするケースが増加しています。

取り扱いが天然ダイヤモンドのみであっても、市場で存在感を増すラボグロウンダイヤモンドの知識がないと、適切なダイヤモンド販売はできないと警告しています。販売しないから無関心でいるのではなく、進化する業界に対応し、顧客との対応ができるよう「勉強」し、知識を「アップデート」することが、小売店に課せられた最低限の責任であると強調されています。

2. ダイヤモンドの「正常化」を支える二つの柱

石田氏は、天然ダイヤモンドのプロフェッショナルとして長年業界に貢献しており、特にダイヤモンドの原石からカット、流通の過程までをデジタルで管理するトレーサビリティ付きの天然ダイヤモンドや、サリネ社の公式パートナーとしても活動しています。石田氏が提案する「ダイヤモンドの正常化」は、以下の二つの重要な取り組みによって構成されています。

柱①:天然ダイヤモンド流通の透明化

天然ダイヤモンドを扱う上での課題は、二次流通品の問題や、現在の流通状態が必ずしも100%クリーンとは言えない点です。この問題を正すため、現在のテクノロジー、すなわちデジタル管理を導入することで、流通経路を明確化し、よりクリーンな天然ダイヤモンドの市場を構築することを目指しています。

柱②:ルールの確立によるラボグロウンダイヤモンドの導入

もう一つの重要な取り組みは、ラボグロウンダイヤモンドを導入する際の適切な「ルール作り」です。ラボグロウンダイヤモンドは、天然ダイヤモンドと肉眼では見分けがつかず、大きな専門の機械にかけなければ判別できません。

このため、何のルールもなくラボグロウンダイヤモンドが世に出回ってしまうと、消費者に大きな誤解や混乱を招くリスクがあります。正常化とは、ラボグロウンダイヤモンドを導入するにあたって、消費者が安心して受け入れられるように、市場における適切なルールと理解を広めることを意味します。

3. 宝石店が担うべき未来

これらの「正常化」の取り組みの最終目的は、天然・ラボグロウンの区別なく、ダイヤモンドそのもの自体が「よりお客様に魅力的に映っていく」ようにすることです。

宝石店は、お客様に正しい情報と知識を提供し、ダイヤモンドを安心して身につけてもらうための架け橋となることが求められます。本動画は、激変するダイヤモンド市場の中で生き残るため、全ての宝石店に対し、知識の更新と誠実な対応の必要性を強く訴えかける内容となっています。

「ダイヤモンドアドバイザー 杉田晴奈」は日本グロウンダイヤモンド協会のスタッフです

日本グロウンダイヤモンド協会

日本グロウンダイヤモンド協会

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